自動車は、ヨーロッパの道で選ばれ鍛えられる。
実感しました。
車のサイズ制限
まず、パリ周辺でも田舎でも、「こういう車は物理的にそこへ入れません」という道がかなり多い。
幅の広い車、背の高い車、小回りの効かない車、車高の低い車は道路の構造上「物理的に排除される」地点が数多くあった。
よくよく注意しなくてはなりません。
レンタカー屋でそういう車を貸し出してはいませんので、その点は大丈夫かな。
まず、車の幅ですが、パリ近郊でも田舎町でも、車線の幅が狭いところがかなりある。
片側交互通行の道が珍しくないのです。もっとも、フランスの場合優先車線が規定されているので、「どっちがゆずるか」問題は起きにくい。幅180くらいならいけますが、2mだと無理な場所が珍しくありません。
田舎の90制限の道とかでもあっても、路側帯がゼロという道が多い。だから90ですれ違うときにかなり対向車と近い。気をつけるべきは対向車線だけでなく、路肩も要注意です。とがった石を並べたような路肩だと、うっかり乗り上げたらパンクの恐れがある。
一番むずかしい、怖い規制は車の高さ規制です。
高速道路のトンネルであっても、2m規制がある。ディフェンダーだと屋根がぶっ飛びそうな高さです。
スーパーの駐車場も高確率で2m規制に遭遇する。観光地の駐車場も同じくです。背の高い四駆、ワゴン、トラックは入れない構造になっている。不思議なのが、どうみても高さ規制の必要のない露天の駐車場であっても、入口に高さ規制のゲートがあるんです。理由はわからないが、非常に厳しい。
日本で大人気のGクラスやランクルをフランスで全く見かけないのはこのせいです。
フランスでは背の高い車は一律トラックあつかいなのです。
小回りについては、曲者はラウンドアバウトです。
ゆったりしたラウンドアバウトも多いですが、旋回半径の小さいラウンドアバウトもかなりある。
Dセグメントのセダンくらいなら大丈夫ですが、ベンツSクラスとかだと回れないような、トラック・バスだと当然回れないものがそうとうあるんです。村の中へは大型車が入ってこられないように物理的に規制してるんです。
車高の低い車は、かなり深刻です。
市街地や町中、村に多数あるスピードバンプは、両輪がもちあがるタイプだけじゃなくて、真ん中だけ高いタイプもある。最低地上高20センチはないと乗り越えられない。
イタリア製スポーツカーは、まったくもって走れません。
別に禁止はされてないけど、物理的に走れない車ってのがすごく多いんですよ。
ランドローバー・ディフェンダーも走れないし、ベンツSクラスも、フェラーリも走れないんです。無理に走れば車がぶっ壊れる。こういう大きい車で走りたい場合、道路標識によくよく注目しないといけない。そういう道に入ってしまってからではUターンできないから大変です。
制限速度と車の性能
130km巡航に耐えられない車は高速道路で走れません。
僕は予約時にBセグメントのルノー・クリオを使おうと思っていたのですが、まあたまたまCセグメントのシュコダ・ファビアに乗らざるを得なくなった。それは結果的に正解でした。
高速道路の130km制限は、日本とはやや事情が異なります。
先に書いた通り、フランスでは130の道を120で走っている車はいない。
俺の車は130出ないんだからしょうがないだろ、は通用しない。
だから、130km巡航できない車は選択肢が2つしかない。
高速道路に乗らないか、トラック用レーンを走るかです。
当たり前ですが、トラック用レーンはトラック優先でトラックいっぱい走ってます。
100kmでるかでないかのレーンです。高速に乗っているメリットがない。
そのせいか、日本であれだけ多く見るプリウスは、一週間で一台しか見なかった。
130出せない車が無理に高速を走るとどうなるか、ってのはよく見かけた。路肩に故障車が止まってる率は、日本よりはるかに高い。毎日故障車が止まってる。
やっぱりCセグメントは強い
フランスでは、都市部用の車と郊外田舎用の車がはっきり別れていました。
フランスにはパリとそれ以外の国がある。それは走っている車でも道路事情でも同じだった。
小型車と大型車、各々、走る地域が違う。
小型車のニーズは高いものの、パリ周辺に限られている。各々活動テリトリーが違うんです。
が、どこでもどっちにもいる車たちが中型車=Cセグメントです。VWゴルフ、ルノーメガーヌ、プジョー308、BMW1シリーズ、シトロエンC4など。国産では、カローラ、マツダ3、シビックなど。
僕の借りたシュコダ・ファビアもそうでした。Cセグメントは大人気で、ざっくり乗用車の7割くらいこれじゃないかと見えた。それはやっぱり都市も田舎も両方行ける万能性ゆえでしょうな。
フランスでレンタカーを借りる場合、このCセグメントのモデルがベストだと思います。
トラックや大型車
トラック類はすごく少ない。
配送のバンは、ルノーのものが多く、ハイエースは一台もない。先に書いた高さ制限のせいです。ルノーのバンは低いんですよ。
大型トラックは上記のような制限の多い市街地にはおらず、大半高速道路を走っているのだけど、数が少ない。日本の五分の一くらいの数でしょうか。土日にはほぼゼロになる。車種は、日本のふそうや日野はまったくおらず、ベンツ、ボルボ、ルノー、スカニア、マンなど。日本で多い2tや4tクラスはほとんど見なかったが、なぜだろう。おそらく小型トラック作っても、どうせ上記の規制で市街地に入って来られないので、使い道がないのかも。
トラックの顕著な少なさってのは、物流の構造が違うんでしょうな。トラックに頼ってないのです。高速道路にはトラック用レーンがあって、100または110制限です。フランスのトラックが特に速いってことはなくて、制限100でも90くらいで流れている。制限速度以下で走るのはトラックの特徴でした。たまにそのレーンを小型車やキャンパーが走っていますので、遅い車はトラック用レーンを走るのでしょう。数は少ないです。
日本ではまず見かけない、トレーラー(キャンパーや自転車を載せた)を引っ張った乗用車は、トラック用レーンを走ります。
バスは非常に少なかった。というより、バスは路線が少ないんでしょうな。いわゆる高速バスってのはなくて、たまに高速を走っているのはツアー客のバスでした。市街も田舎もバスぜんぜんいないので走りやすかった。ってことはバス旅行って難しいんだろうな。だって、バス停が地方には全然ないんですから。
オートバイ
オートバイは、日本よりすごく少ないです。
原付きは当然のようにまったく見かけず、250や400クラスはほとんどいない。メインは大型です。町中じゃ逆にほとんどいない。仕事でバイクを使うことがなく、みなツーリングのバイクばかりが田舎を走ってる。こっちじゃバイクって完全に趣味の乗り物なんですな。
BMWやKTMのほか、日本製バイクが半分以上占めています。
小型バイク見かけないと書きましたが、トレーラーにエンデューロバイク積載して走っているのは何度も見ています。250や400クラスは、フランスじゃ「競技用」なのかも。
おもしろいのが、彼らのバイクって高速道路でバンバンすり抜けしていくんですが、すり抜けの際にハザードを点滅させるんです。プップー、とクラクションも鳴らして走っていく。すり抜けるぞ、という主張、予告です。
高速道路では、バイクは150kmくらいで走っています。僕が130で走っていて、バイクを追い越したことはなかった。日本で言う大型クルーザー、ゴールドウイングとかK1600RTとかああいうのが結構多い。かわりにハーレーは一台も走っていませんでした。ハーレーがまったくいない、ってのは面白い。