1~3月の映画 「1917 命をかけた伝令」「ミッドサマー」

「1917 命をかけた伝令」 その寸前にみたキャッツが残念な感じでしたので、1917には期待していました。
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一番の見所は、全編ワンカットってこと。
ずば抜けた長回しというこの手法、最近出てくるようになりましたね。たとえば、「カメラを止めるな」の劇中劇。
昔で言えば「奇跡の人」の長芝居や「エクソシスト」の長セリフ。これは加工一切なしの一発勝負撮影でした。
その後CGが使われるようになると、「トゥモロー・ワールド」 で数カ所、印象に残る長回しが使われた。

もちろん、2時間ノーカット撮影なんて不可能なので、細かく撮影してCGで補正をかけて編集点をわからなくしているんでしょうね。
たぶん、人物が画面に出てこない画が編集点なのかなーなんて思いながら見ていました。



ストーリーはとてもシンプルなんですが、ワンカット長回しのおかげで、観客が主役を第三者視点で追い続ける心理になる。
FPSゲームで、第三者視点モードでゲームやってる感覚なんですよ。ぼくがそういうゲームやるんで、よけいそういう風に感じた。おかげで、映画への没入感が強い。


ワンカットでやるための、セットがすごいです。
塹壕、空白地帯、塹壕、農園、平原、廃墟、渓流、森林、塹壕とずーっと切れ目なしに地形が遷移していき、いったいどれだけの面積のセットを組んだのか。
おそらく、膨大な回数のリハーサルを繰り返しているはず。エキストラの人数もすごい。


ただ、難点も感じました。
ワンカットでやるにはちょっと尺を欲張りすぎたのでは?
90分くらいでまとめればもっとスッキリしたと思う。中盤いらないシーンがちと目立ったな。
とはいえ、映画の撮影技法として画期的ですし、シンプルなストーリーがそれによって生きています。必見だと思う。






最後に「ミッドサマー」。問題作です。
これ、ネットで話題になっていたので見に行こうという気になった。
ネットで知ることがなければ見に行かなかったろうな。
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これ、ほんと問題作。
明るい悪夢です。幻覚を見ているような気持ち悪さ。
絶対、好き嫌いが分かれる。

感想が難しいですね。怖いという雰囲気じゃないのですが……
とにかく悪夢なんですよ。

画面はほぼ一貫して明るく爽やかな映像なんですが、もうとにかく気色悪くて不安。
かなりグロいシーンもあるんですが、ほとんどはお花畑シーンなんですね。



これ見てスウェーデン行こうって気になる人はいないでしょうねえ。とんだ風評被害ですよ。
でも、米国人から見た日本の土俗習慣も似たような感じで見えてるんだろうなあ。要するに、映画の背骨は「キリスト教社会から来た現代欧米人が、北欧神話の巨人を信仰するど田舎に来てしまった」感じなんですね。
映画で登場する村は、神の概念、死生観、いけにえ、シャーマニズム、清潔不潔、そういった価値観がすべて現代的なものと違っている。異様だと感じる。しかしそれが彼らの伝統なんですな。


ポイントは、先進国であるスウェーデンが舞台ってことでしょう。
これで舞台がアフリカ奥地とか南太平洋上の孤島とかだったらありふれたネタなんですが。しかし先進国の片田舎で、って点がポイント。先進国であっても伝統文化や土着信仰は存在する点を僕らは忘れている。

おそらく、欧米人が世界中のあちこちで伝統文化を土足で踏み荒らし、ひんしゅくを買っている状況を皮肉っている。聖なる木に立ち小便をするシーンが象徴的だと感じた。アンチグローバル的な映画なのかもしれないですね。

その意味じゃ、単なるホラー映画ではなく、社会風刺がメインテーマの深い映画なんでしょう。
ただ、繰り返しますが好き嫌いが分かれると思います。長い映画ですし、ワンカットが長いし、グロいシーンがある。
僕は好きか?というと……好きの部類に入るかもしれないですね。



by punto1150 | 2020-03-12 19:15 | 日記 | Comments(0)

Vストローム800DEとランドローバーディフェンダーで遊びに行く日記帳です。


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