Me163の完成記事をアップしてから、実はほとんどプラモデルが進んでいません。
その理由は簡単、模型製作部屋にクーラーがついてないから。
夏にここで模型を作り始めると、額にしたたる汗がパーツに落ち、えらいことになる。
これでは娯楽じゃなくて修行だよ……
とはいえ、今年の夏はかなり涼しい時期が長かった。
その間にちびりちびりと制作を進めていました。
昨年末、滅多と出会えない名作映画「この世界の片隅に」を見ることができて、大いに影響を受けました。
模型生活にも当然ながら強い影響が出た。この映画には数多くの兵器が登場し、観客に強い印象を与えます。今年の模型製作テーマは「この世界の片隅に」で決まりです。
まず、「この世界の片隅に」に登場してきた兵器をリストアップ。
軍艦では
重巡洋艦 青葉
戦艦 大和
(戦艦 武蔵)
(重巡洋艦 最上)
(重巡洋艦 利根)
空母 龍鳳 (最初の空襲で炎上していた)
(空母 隼鷹 飛鷹)
(駆逐艦 雪風)
二等駆逐艦 椎 (終戦の日の夜、呉に明かりが灯るときに手前に写っていた)
(潜水艦 U511)
(掃海特務艇十六号)
カッコつきなのは名前が出てきただけか、遠望でシルエットが写ってただけのもの。
ほかにもワンカットの出演とか、沈没後の姿とか、多数ありますが。
航空機では
紫電改
F6Fヘルキャット
F4Uコルセア
SB2Cヘルダイバー
(以上は昭和20年3月以降の呉空襲シーンで登場)
B-29
F-13(B29の写真偵察機型)
97式大艇 (呉の上空をのんびり飛んでいた)
一式小双発高等練習機? (広島江波のシーンで着陸する機体が写った。吉島飛行場(陸軍)に降りる機体と思われるので、陸軍機でしかも練習機のはず)
いくらなんでもこれ全部作るのはちょっときついかもしれないですが、頑張ってみましょう。まずは実際に画面に登場してきたものを優先で。
我が家の在庫にあるのは 大和 青葉 雪風 コルセア ですねえ。あとは買い足さないと。
「この世界の片隅に」で史上最大のクローズアップを受けていた軍艦が 青葉 です。
最初に大和を選ばず青葉なのは、やっぱり映画の中での取り上げられ方の大きさ。
主要登場人物である水原哲が青葉乗組でした。
すずさんが片手を失い、春美ちゃんが死亡する原因は、青葉を見るために行かなくて良いところへ向かってしまったが故です。映画のラスト近くで空を飛ぶというシーンも有りました。
なんせ、このキービジュアルの軍艦も青葉なんですよ。この作品を象徴する軍艦と言えるかも。
重巡青葉の戦歴の華は、何と言っても第一次ソロモン海戦。
米軍ガダルカナル島上陸の報を受け、日本海軍のとった初動作戦のひとつです。
ラバウルを出港した青葉は、先頭に立つ第8艦隊旗艦鳥海の後ろにつけ、姉妹艦の衣笠、加古、古鷹が続き、その後ろに天龍、夕張、夕凪がいた。
「劇場版艦これ」の冒頭のシーンですなw
第一次ソロモン海戦は太平洋戦争でも特筆すべき日本の大勝利に終わりました。水上砲撃戦でこれほどの一方的勝利は戦史でも珍しい。
しかし、青葉の華々しい活躍はほぼこれが最後でした。
サボ島沖海戦では先頭旗艦を務めていたのですが、そのために被弾が集中した。
青葉に乗っていた第六戦隊司令五藤少将は最初に接触した艦隊を味方と信じ込んだ。これが悲劇でした。次々と上がってくる「あれは敵」の報告を信じず、対応が遅れた。
アメリカ艦隊の発砲した初弾の一発が青葉艦橋に命中したのです。この一発で艦橋にいた五藤少将ら幕僚が壊滅。
指揮系統を失った青葉には次々に砲弾が命中、一番砲塔以外のすべての武装が破壊され、船体以外の上部構造物がめちゃくちゃに破壊されてしまった。青葉にできることは、逃げることだけでした。
この戦いで姉妹艦古鷹も沈んだ。
サボ島沖海戦で大損害を受けた青葉はトラック島へ帰還しましたが、上部構造物がめちゃくちゃで、沈まなかったのが不思議なほどの憐れな姿でした。さいわい機関は無事だったので、青葉は呉へもどって長期間の修理を受けます。
昭和18年2月、不完全ながらも修理を終えた青葉はふたたびラバウル方面へ移動しますが、4月にB-17の爆撃でまたも大破する。こんどはボイラーをやられた上に浅瀬に座礁して動けなくなり、軽巡川内にひっぱられてトラックへ戻ってきた。青葉は工作艦明石に応急修理してもらってから呉へふたたび帰港。またまた大修理が始まります。
昭和18年12月、「この世界の片隅に」では青葉乗組の水原哲上等水兵が里帰りしてきて、縁談の持ち上がったすずと再会します。このころが青葉の修理が終わった時期です。
破損したボイラーは完全にもとへ戻すことができず、以降最大速力が出せなくなった青葉は、もう第一線で戦うことはできなくなりました。
長々と実物の方の話を書いてしまいました。
キットの方に注目しましょう。
まず、新しいキットの青葉。
僕は古い在庫キットの消化のために、かなり古めのキットばっかり作ってました。
しかしこれは青葉のキットの中では最新のものです。
彫刻は素晴らしいの一言。
新旧の青葉を比べると、どれだけ模型の技術が向上したかよく分かる。
まずはパーティングラインの処理を要するパーツから接着していきます。
船体は左右分割構造で、その点古いウォーターラインシリーズとは一線を画する。