シリンダーヘッドOH後の調整 つづき
2011年 05月 29日
アイドリングがばらつく。
タコメーターの針が落ち着かない。これははっきりわかる。
これは左右の同調が狂っているのではないか?とすぐに見当がついた。過去にこの状態は経験している。
案の定、バキュームゲージを取り付けて負圧を測ってみたら、針の動きが一致しない。プラグを外してみても、焼け具合が左右で違う。同調が狂っています。
やばいなあ。エンジン組み立てた直後にやっておけば良かった。微振動の原因はこれかもしれない。
いままでは燃焼室内にカーボンがたっぷりたまった状態で「同調が取れていた」わけですが、OH後にカーボンがなくなったのだから、当然同調は狂う。燃焼室容積が変わっているのです。
まずはエンジンを十分温める。近所を一回り走ってきて、暖機を済ませます。
エンジンを止め、インジェクションの下にあるゴムキャップを取り外し、バキュームゲージのホースをハメ込む。
エンジンをかけてバキュームゲージを調節し、針の動きを落ち着かせる。
そしてインジェクション横についているマイナスネジを回して、アイドリングを合わせます。
1100~1150回転が指定されています。
私は、夏は低め、冬は高めに回転数を調整しています。
反時計回りにネジを回すとアイドルが上がり、時計回りに回すと下がる。
少しずつ、左右を交互に、ゲージの針を見ながら調節します。
アイドリング回転数が合った状態で、ゲージの針が左右同じ数値を示していれば、まずアイドリング調整は終わり。
アイドリング調整は、大体年に3~4回やってますね。
気温の変化で回転数が変わるので、季節の変わり目にはやらなくちゃいけないし、エアクリーナーを掃除してもやはり回転数が変わる。バキュームゲージの出番が多いから、買っても損にはならない。
ここから同調の様子を見ます。
バキュームゲージの針をにらみつつ、スロットルをゆっくりあおる。3~4000回転も回せば十分。
このさい、バキュームゲージの針の動きと動くタイミングを注視する。
ゲージの針が左右同じ動きを見せれば、同調は取れている。
今回の場合、右側の針の動きだしが早かった。同調が狂っていました。
左右の同調を取るには、まずアジャスターのロックナットをゆるめます。10ミリのレンチでナットを回す。
これでアジャスターが指で回せるようになります。
ゲージの針の動きを見つつ、スロットルをじわりとあおる。
針の動き出しが早いほうがケーブルの遊びが少ないということなので、アジャスターを遊びが多くなる方向へ=ケーブルが緩むように回します。
この時、スロットルケーブルの遊びがゼロにならないよう、気をつけます。
私の場合、左右どちらかはほとんどいじらず、さわるのは右なら右、と決めて、右の動きを左に合わせる、という方法をとっています。ケースバイケースで一概には言えませんが。
ゲージの針の動きが左右一致したら、2000回転くらい、3000回転くらいと回転数を固定し、針の示す数値が一致するかどうか確認。これがOKなら同調は取れています。
同調が取れたら、ロックナットを締めます。この際、アジャスターが共回りして動かないよう、片手で押さえつつ。
最後にスロットルグリップの遊びが適切か確認し、必要に応じて調整。
スロットルグリップの下にあるケーブルを調整します。
遊びが多すぎると、だるい感じの操作感になるので、好みじゃない。私は遊びがやや少なめのほうが好きです。グリップ外周で5ミリくらいに調節。
これで同調調整完了です。
要注意点としては、ここのボルトは決していじらない。工場で調節されている部分です。
そして10分も20分も時間をかけない。停止状態でエンジンをふかしてると、過熱しすぎて正確に負圧を測れなくなる。長くても10分以内で作業を済ませ、それ以上かかるときは一旦エンジンを止めて休憩しましょう。
ヘッド周りの微調整と同調調整でかなり変わるもんなんですねえ… もっとクリアランスを詰めれば、さらに振動がなくなるのでしょうか?もっと同調のセッティングを詰めていけば、さらに吹けが良くなる?
やってみる価値はあるけど、やり過ぎてトラブルになるのも怖い。
こんな、1時間で出来る調整作業ですぐ結果が変わるというのも面白いです。
やっぱり基本設計の古いエンジンだからかな?
むむぅ~、同調作業、年に3回もですか!?
って、作業的には付けた外したが少なそうなので慣れればチョイチョイって感じなのでしょうか。
クランクでつながってる二つの内燃機関への燃料供給がバラバラなのは考えただけでもストレスですよね。
参考にさせていただきます!
やはりゲージもちゃんとしたものを揃えるべきですよね・・いい加減な安もんのゲージじゃ針の位置も信頼できないでしょうし。
お勧めのゲージなどありますでしょうか??
このバイク、インジェクション搭載なのですが、それが世界初に近い?くらいごく初期のインジェクションつきバイクなんです。なので、インジェクションの構造も制御プログラムもシンプルそのもの。
なにせ、FCRキャブレターに換装するとパワーアップする、ってくらい情けないインジェクションです。なので、手作業で調整するところが多い。
アイドリングは気温の上下やエアクリーナーの状態で変動しますので、季節の変わり目にはやらなくちゃいけない。
真夏に適正だと、冬には200回転くらい上がってしまうし、逆だと同じくらい下がる。エアクリーナーを新しくすると同じく上がります。
同調は、徐々に、本当にゆっくり変化していきます。なので、ある日「あれ?」って思うんです。
振動が増えた?アイドリング不安定?って気がつく。
なので、バキュームゲージを買って自分でやったほうが絶対お得。
バキュームゲージは、ストレート製のを使ってます。
http://www.straight.co.jp/item/15-660/
セールで安い時買ったので、2個5000円くらいでした。
安物ですが、十分な性能です。
dokitakaさんが買ったので便利そうなのがこれ。
http://dokitaka.blog69.fc2.com/blog-entry-202.html
走行中に同期がチェックできるすぐれもの。海外通販です。
切り替え切り替えしながらアイドリングを見ればいいわけです。
でも、同調調整はそうはいかない。
針の動きを左右同時に見なくちゃいけないので。
なので、どうしても2個必要なんですよ。
調整作業がすべて手動で、なにも電子制御されておらず、めんどくさいインジェクションなのですが、いいところもあります。
やたらと単純な構造で、壊れないんですよ。
10年おきくらいに中のゴムパーツを替えてやれば、ずっと調子いいです。そのうちインジェクターが壊れるかな?と思うんですが、インジェクターもとても安いです。あとはどこも壊れそうなところ無いですよ。
キャブのジェットが無いだけの簡易インジェクションって感じなのですね。
なにか安心・・・なような不安なような^^;
ゲージ買います。
アドベンチャー用のスクリーンが安く入手できたのでソレに換装します。
純正のadv用スぺーサーやら付属パーツはディーラー手配となるので結果それほど安くは上がらない予定です。。
スぺーサーなんざ木で作ろうかと思いましたが止めました。^^;
でも作られて10年前後たつバイクですから、あちこち悪くなる頃合い。買ってからかかるお金もありますよー。
R1150をこれからお乗りになる方に参考になるかと思い、いろいろノウハウを書きためています。近々アップする予定ですが、そのなかに10年で悪くなるパーツをあげています。
特にゴム製のパーツ。そろそろ経年でだめになるころですから、バイクが手元に来てからチェックしてみてください。