さて、胆石の手術の話はいったん終わり。
元のブログへ戻します。
アウトドアで使う加熱・調理用の燃料って、実に多彩です。
薪や枯れ葉から始まって、灯油やガソリン、ガス、液体アルコール等々……
昨年夏に中央アルプスを歩きましたが、この時痛感したのは
「1グラムでも荷物を軽くしたい!」ってことです。
もっとも重たい水は減らしようがないですけど、ガスカートリッジはけっこうかさばるし重い。
他に何かないかな?と思って調べてみて、気になったのがこれ。
エスビット=固形アルコール燃料です。
昔からその存在は知っていましたが、灯油バーナーの予熱に使うもんだと思っていました。これで調理をするというのは思いつかなかった。
右の黒い袋から、エスビット純正のチタン製ゴトクを取り出しました。
ご覧のとおり、凄くコンパクト。
そして、軽い!!!
使用状態にするとこうなる。
中央の皿にエスビットを乗せて火をつけるのです。
あまりに軽くて、持っているのを忘れるし、落としても多分わからない。
エスビットを取り出すと、こんな風に3個で1パックになっています。
これまたとても軽いのです。
こんなふうに皿にエスビットを乗せて使う。
気になるのが、火力。
いきなり山の上に持っていって、全然湯が沸かなかったらどうしよう。
自宅でテストしてみるか。
ライターで火をつける。
まったく炎が見えませんが、これで火がついているのです。
独特のツンとするにおいがする。
少量のススも発生するうえ、シアン化水素もごく少量でる。有毒です。室内では使えない。
500ccの水を沸かしてみましょう。
気温は16度くらい。水はさらに冷たい。
夏山の上ならこんな気温でしょう。
うーん、風の影響が大きいな。
火力が分散してしまってる。
それでも、15分ほどでお湯が沸いてきた。
一個のエスビットでギリギリ500ccが沸かせるかな?
グツグツ煮えているところまでいかないので、一個じゃ足りないかも。
やっぱりガスバーナーにくらべたらかなり火力は低い。湯をわかすのに時間がかかる。
20分ほどで一個のエスビットが燃え尽きました。
ガッツリ加熱するには2個必要かもしれない。2個同時燃焼もありかな。
なんせ、途中で消火できないし火力調整もできないので、色々工夫が必要。
でもまあ、水が250ccなら一個で十分でしょう。
黒い燃えカスが残っています。
燃焼テストの結果、「一応使える」ことがわかりました。
一回の調理につき、2~3個は用意しておいたほうがいい。
火力は低くて、実用ギリギリのラインです。
最大のメリットは、圧倒的な軽量・小型。持っているのを忘れるほど。
課題もある。
まず、風の影響が大きいので、風防が必要だ。
軽量小型の風防をチェックしてみましょう。
たぶん、テントの床に直置きではまずい。テントに穴が空くかも。
前述のように有毒成分も発生しますしね。
そして、エスビットは保管に注意が必要。
水を吸収しやすく、湿気を吸う。
燃えなくはならないのですが、火力が落ちるようです。
密閉してシリカゲルといっしょに保存するのが良いらしい。保管の際はタッパーにいれておきましょう。
どちらにせよ、あまり長期保存はできないということです。