もうすぐボアアップ改造をひかえた50ccのリトルカブ。
50ccのうちに一回遠出しようか、湯河原に梅でも観に行くか、と計画をねった。行ってみたい店もあったしね。
ところが当日になって、急に参加メンバーが増えてしまう事態が発生。
子供連れで行くことになりました。
しょうがない、VWゴルフを出すか。
いうまでもなく僕の趣味の一つはドライブですので、子供が車嫌いでは困る。
今から慣らしておこう。
チャイルドシートだなんだと出発準備に時間がかかり、予定より1時間半遅れて出発。
昼に湯河原まではいけない、目的地を小田原に切り替えた。
ちんたらと走れる内陸のルートをいく。
しばらくは大山を目印に走ります。
東名高速道路の下をくぐり……
富士山を目指して走る。
3月になってだいぶ空気が霞んできましたね。
湿度が上がってきてるのもあるけど、花粉の影響もありそうです。
昼時です。
やってきたのは、小田急栢山駅近くの「餃子屋」。
そのものずばり、餃子の店です。
これは美味い!!
過去の餃子の中でも、5本の指に入るうまい餃子ですよこれ。
皮は薄く、具にはキャベツとニンニクがたっぷり。
浜松餃子に近い味わいです。
おすすめは餃子単品とスタミナ餃子。
定食やセットで頼むと割高なので、単品がいいと思う。
ただ、ニンニクたっぷりなので……このあと口が臭くて参ったなあw
まだ子供には餃子は早かったけどね。
腹八分になったあと、もう一巡りしましょう。
箱根を目指して西へ。
道端の梅が満開&終わりかけ。
到着したのは、石垣山一夜城です。本日の目的地。
一夜城は豊臣秀吉が小田原攻めのときに築いた城です。有名ですね。
一夜城のネーミングの由来は、小田原城の北条方からみて、一夜にして城ができたかのように見えたかららしいのですが、これは誇張。
木の枠組みに紙を貼って白壁に見えるようにしたとか、一晩で城の周りの木を切ったとか、色々伝説がありますね。
ところが実際は、かなりしっかりした、きちんと石垣を積んだ本格的な城を作ったのです。
秀吉の手紙に、もう石垣と台所が完成したよ、もうすぐ御殿や天守閣も完成するよ、という言葉がある。
特に石垣づくりの城ってのはこれまで関東には存在せず、関東の侍たちへの「これが上方の城だぞ」っていうアピールはすごかったと思いますね。
最初、秀吉は箱根湯本の早雲寺に滞在していましたが、非常に短期間(おそらく3ヶ月程度)で一応使えるレベルまで工事が進み、ここへ移動しました。
秀吉は「城攻めの名人」として知られていますが、彼の城攻めの基本セオリーは「まず本格的で頑強な陣地を作る」です。城攻めのための城を作るのです。
天正18年(1590年)3月29日から6月24日までの3ヶ月間で小田原城の北条氏は降伏しました。つまり、一夜城が完成するとほとんど同時に戦いが終わってしまったのです。
というと普通、小田原城が陥落したらこの一夜城は用済みになりますよね?
今までの通説では小田原合戦終了と同時に一夜城は不要になり、廃城になったと思われてきました。
ところが最近になって、小田原合戦のその後もこの城の工事が続き、使われていたと分かってきました。
その証拠がこのあたりに転がっていたのです。
加藤肥後守(加藤清正)の名が掘られた石が見つかった。加藤清正は当時「主計頭(かずえのかみ)」で、加藤が肥後守を名乗るのは小田原合戦終了後1年経ってからなのです。
豊臣秀吉が「石垣は完成した」と書いて淀殿に手紙を送りました。
当時は立派な石垣があったはずですが、今はご覧の通り見る影もなく崩れています。
石垣の角がずり落ちてそのままになっている。
これは関東大震災のときに崩れたものです。
関東大震災は、東京の大火災ばかりが有名ですが、実際には小田原のほうが被害が大きかった。
なんせ、建物の倒壊率が90%以上という……大火災にあった東京でも50%いってないのです。小田原に古い建物が全くといっていいほどないのはそのせいです。
ほぼ、全部の建物がぶっ壊れた。
というのも、関東大震災の震源は小田原沖の海中なのですよ。ものすごく震源に近い。
二の丸を突っ切って右へ折れて降りていくと、こんなところがあります。
井戸曲輪、と呼ばれる場所で、石垣が螺旋を描いて下っていく、独特の景色です。
石垣山一夜城でもこの一角は特に有名で、TVなどでも取り上げられる事があります。
変わった景色なので、パワースポットとか言われてるらしい。
駐車場へ戻ってきて、奥様のお目当てに行きます。
ヨロイヅカファームです。
わたしゃ詳しくないのですが、有名なパティシエなんですよね?
すごい人出ですよここだけ。
広い駐車場はほんとは一夜城の公営のものなのですが、そこに止まっている車はほとんどがヨロイヅカファームのお客ですw
いいのかなこれ。ただで使ってるようなもんだと思うけど。
中ではパン、ケーキ、野菜を売ってます。
いやーいい値段ですよこれ。値札見た時、ぎょっとしてしまった。
パンにこんな金だすのかねえ……一個300円とか400円とかする。
しかし食べてみて妙に納得した。
クリームパンを食ってみたのですが、こりゃたしかにうまい。ひと味ちがう。
入ってるのがただのクリームじゃないのですよ。コクがあって美味しい。
ケーキもかなり高いのですけど、女子供にはかなり好評。おいしい連呼。
このお店、外にテーブルと椅子があって、その場で食べられるのです。
帰りは最短コースの西湘バイパスを使って帰宅。
50ccリトルカブとのお別れツーリングで企画したのが結局家族旅行になってしまいましたが、たぶんヨロイヅカファームには一人だったら絶対入らなかっただろうから、良い旅行でしたね。