セルモーターを取り外し、クラッチ残を確認しました。
続いてセルモーター内の点検と補強です。
マグネットハウジング内側の4枚のマグネット、これがこのセルモーターの弱点です。マグネットを固定する接着剤が剥がれると、モーターがロックして回らなくなる。パーツで供給されてませんので、セルモーターまるごとASSY交換になってしまいます。かなり割高。
Kachiさんの作業を真似て、マグネットの接着部分を補強してやりましょう。
使うのは、強力な接着剤オートウエルドです。ネットでも売ってますが、僕はアストロプロダクツの店頭で買いました。
焼き鳥に使うような竹串を使って、マグネットとハウジングのすき間に押しこむように接着剤を塗っていきます。
Kachiさんも苦労されたようですが、僕も苦労した。本当に接着剤がマグネットに引き寄せられるんですよ。竹串が曲がるほどの強力な吸引力で、あっちこっちに接着剤がくっついてしまった。
はみ出た接着剤はウエスにパーツクリーナーをつけて拭き取りました。ハウジングについてる分には関係なさそうだけど、マグネットの内周部に接着剤がつくとまずい。きれいに拭き取ります。
固まるには6時間以上かかるようですが、今の気温だともっとかかるかも。
ほかのパーツはきれいに拭いて、グリスアップすべきところにはグリスを塗ったり吹き込んだりします。電気的な接点は「接点復活剤」を吹いて、ワイヤブラシで磨いておく。
この、フライホイールのギアと噛み合うギアは、普通のグリスを塗ったりすると飛び散ってクラッチに付着したりするとまずい。高粘度のモリペースト(スプライングリース)を薄く塗って、さらに拭きとっておきました。
あとは元通り組み立てて、取り付けるだけ。
もうひとつ、気になる箇所がある。
以前燃料タンクのポンプユニットを脱着した時、その取り付けボルトの一つをナメてしまったんです。
このとおり、下半分のねじ山が消えている。
このねじ山を補修したい。
とはいえ、何で補修するかが問題でした。
「ねじ山補修」というのは、たいていがめねじ(ネジ穴)の修復を指し、おねじの補修というのは想定されてない。
6本あるボルトのうちの1本ですし、大きな力が加わるわけではない。
とりあえずボルトが空回りするような状況を改善したい。
で、だいぶ昔に使ったことがある、パーマテックスのねじ山補修剤を買いました。デイトナから販売されています。
これまた本来はネジ穴の補修に使うものなのですが、臨時にボルトのねじ山を直せるか、試してみます。
使い方は2液性の接着剤と同じです。
くっつかせたくない方に青い処理液を塗っておくのが違い。ねじ山をきちんと脱脂し、清掃してからとりかかります。
6分で硬化、と書いてありますが、寒いので30分待ちました。
ナットを外すと、ん?ちゃんと手応えがあるな?
見た感じ、ねじ山が直ってるように見えないのですが、よく見ると低いながらもねじ山ができています。
完璧とは言いがたいですが、いちおうネジは締まるようになった。
このねじ山補修材、けっこう頑丈なんですよ。20年以上前にNSRのタンク取り付けボルトの穴をなめてしまい、これを使ったんです。
何年もの間、補修した部分のボルトを脱着しましたが、まったく異常なかった。
長々書いてきましたが、お正月メンテナンスの記事はこれで終わりです。