車とバイクの税金の話
2012年 06月 07日
先月、R1150GSの車検に行ってきました。12月には、ゴルフの車検でした。
ユーザー車検にもかかわらず、かかった額は両方合わせて8万円以上。
そのうち、保険料と手数料を引いた税額は3800円(バイク)+30000円(車)。
そして、先月は自動車税の支払い。
バイク4000円、車39500円、そしてリトルカブの1000円。
この半月ほどの間に、自動車関連の税金を8万円近く払ってるわけです。ガソリンにかかる税金と高速道路料金はまた別で。たしか、買った時も相当税金払ったよなあ、8万余分な金あったら、北海道とかツーリングいけるよなあ。
車もってるだけでこんなに税取られるのは理不尽ですよ。
この数年、若者のクルマ離れ、バイク離れなんて聞きますが、これじゃまあ、しょうがないでしょうなあ。
車とバイクをもってると、重税にあえぎつつ頑張って稼ぐしかないわけです。こんなコストを支払うくらいなら、車なんていらん、と思うのが普通です。若者を責められない。
この重税感、日本だけなのかな?と思って、ネットで調べてみました。
JAMA(日本自動車工業会)のサイトが信頼感があり、ソースはそこが主。
そこから引っ張ってきたグラフ。
一つ目のグラフは新車を買うときに発生する税。
二つ目は車を保有するのにかかる税。
三つ目は車を走らせるのにかかる税、と考えればいい。
まず、新車を買うのにかかる税金は、欧州が日本の倍近く税を取る。米国は日本よりやや安いくらいで、さほど差はない。それに、欧米では中古車相場が日本より割高ということもあり、余計車を買い換えづらい。
そして現在のエコカー減税によって、(車種は限られますが)新車の買いやすさは日本が髄一という状態。外車だって、円高のおかげでずいぶん買いやすい。
日本意外にに税金安いじゃん、と思ったら、買った翌年からドーンと税金が来る。10年同じ車に乗ると、どれくらい税を払うのか、それが二つ目のグラフ。
重税で有名なイギリスの2倍かかり、そしてドイツの3倍、アメリカの16倍。納得行かないのが、重量税(国税)と自動車税(地方税)の二重課税です。自動車税だけならまだ納得できても、この二重課税は納得いかない。
(実はガソリンも揮発油税・地方揮発油税さらに消費税の三重課税なのですが、これは別の話)
走ることにかかる税金=燃料税と道路通行料金。
燃料税に関しては、日本は欧州と比べて2~3割安い。高くて有名な日本の高速代を足して同等になる。遠出しない人は欧州よりはるかに安く済む。かねがね日本の高速道路は高すぎる!と思ってますが、これを見るとまあ、納得せざるをえない気がしてくる。
アメリカのクルマ関連税の安さは驚きに値しますが、アメリカの場合、自動車の有る無しは生命にかかわる部分もあり、自動車所有権=生存権の一部とみなされているので、日本と同じには考えられないですね。救急車が有料の国でもあるし。
ざっと見た感じ、ヨーロッパは新車を買うのにドンと税が来るが、買ってしまえば日本の半分以下で維持できる。走る費用は若干割高ですが。
欧州車がなによりも長持ちを重視し、古い車の部品がいつまでたっても流通しているわけがここにある。30年前のBMWのパーツが何の苦労もなく買える。高い金だして買った車、簡単に手放してたまるかい、ってことですな。
対して、日本は古い車をいつまでも乗っているより、同じ税を払うなら新しい車のほうがいい、となるんですね。
さらに、最近改正された重量税は、車齢13年、18年を超えると増額される。1.5~2トンの乗用車の場合、13年以下だと2年で32800円、13年超えると40000円、18年超えると50400円となる。古い車は持ってるだけで罰金、というシステムに変わりました。バイクも同じシステム。まさにアンチエコロジー。
こんな車とか
こんなバイクに乗っててはダメですよ、ということです。
ただでさえ古くて修理代のかかる車に、こんなに税金払ってられないよ、と思うのも当然。
最近のエコカー減税エコカー補助とやらで、ハイブリッド車と低燃費車を買う限りにおいては、ほぼ無税に近くなる制度のおかげで、これにさらに拍車をかけている。
この税制に、大して反対の声もないというのが古いものは捨てていく、日本的なところなのかな。
良い比較になるのがドイツ。
クルマ文化が浸透した、車の発明国ドイツでは、古い車は文化遺産、という意識があります。車齢30年を越える車は「ヒストリック(歴史的)」ナンバーが与えられ、一律年18000円と低い税率に抑えられます。古いものを大切にする、使い続ける文化と伝統。「エコロジー」では片付けられないものがある。スイスやフランスでも似た制度があるようです。
ヨーロッパでは車はいつまでも長く乗るもの。親子二代にわたって使い続けるもの。文化的財産でもあり、長持ちする道具でもある。完全に動かなくなるまでめいっぱい使い倒すんですな。
アメリカはというと、生きるために当然必要なもの、でしょうか。単なる道具にとどまらず、体の一部のよう。高い税金かけるなんて論外、というところ。
日本では、税制上も意識上も、車は消耗品という位置づけです。どんどん買い替えなさい、新車を買ってください、古い車は捨てなさい。古い車を持ってたら罰金ですよ。
車なんて長持ちしなくたっていいんです。10年たったらパーツは供給しなくていいんです。捨てるものだから。
機械なんて古くなったら捨てればいい、という意識は別に車バイクに限ったことじゃない。飛行機だって飛ぶ古い飛行機なんて一機も残っていません。飛べた飛行機も飛べなくしてしまうんです、日本人は。
今のうちに、古い車バイクは外国へ移動させてしまったほうがいいかもしれないですね。きっと欧米なら大切に使い続けてくれる。
このまま行くと、20年後の日本は軽自動車とハイブリット、スクーターしか走ってない国になっちゃうよ・・・
財源が少なくなってきてるから、何処から集めようか必死に模索してるんでしょうね。
私、スイス在住なんですけど、周りの人15年くらい乗るの当たり前ですね。
壊れなければそれ以上乗ってる人もいます。
日本はエコを履き違えしてるようにしか考えられません。
新車(ハイブリット等)なら環境にやさしい言うのが前提で一人歩きしてるとしか?
廃車を出したらリサイクルすると言っても、完全に無になるわけではなく少なくとも廃産物が出るわけですからね。
車やバイクをいたわりながら、長く乗ったほうが環境にやさしいのは皆さんわかってる思うんですけどね。
人間エゴの塊ですから、いかしかたないのかもしれませんが・・・
大体、日本人なんて(僕含めて)5年か6年で車買い換えちゃうもの。そういう国民性です。だからといって、古い貴重な車に重税をかけて廃車を促進するなんて馬鹿げています。
ほんと、日本の「エコ」はエコロジーじゃなくて、エコノミーなんだな、って思いますよ。
生産品が売れなければ、政府・企業ともに財源が少なくなってきますからね。
日本のマーケットは欧米に比べて縮小傾向にありますから、新車購入には補助金・古い車には重税と言う形を作って購入を促したいんでしょうね。
もし本当に、エコロジーに配慮した税制を、というなら、欧州のように排出二酸化炭素量に応じた税額を設定すべきなんでしょう。
新車には、その製造段階で排出したCO2量、毎年の自動車税には、その車がだしたCO2量に応じて税金をかける。国交省のデータ↓ によると、
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn10_000001.html
エコカーの代名詞プリウスのCO2排出量は65~77g/km(10・15モード)
通常のガソリン車だと、ヴィッツが95~145 クラウンで147~211 でかいランクルで264~298。
でかい外車の代名詞、ベンツS600で394。ちっこいVWポロ1.6で159。
だいたい公平な税負担が期待できそうです。
製造段階で出るCO2に課税すれば、企業側も努力するでしょう。製造にどれくらいCO2が出るのか不明ですが、調べて課税すれば、メーカーだってがんばりますよ。
もちろん、今までの税ととってかわるもので、今のに上乗せする形じゃなくて、ですけどね。